長いあいだ日本に暮らしていると、または幸運にも日本人として生を受けると。私たちは見ず知らずのうちに「平和」や「安全」は空気のように存在するものだと錯覚してきた。日本では当たり前のこと、一歩世界に出てみると酢の完成は180度以上変えられてしまう。
AIが人間の判断領域にまで踏み込み、各国の思惑が資源・技術・安全保障を軸にぶつかり合うこのご時世。世界は音を立てることなく、しかし確実に、別のフェーズへと足を踏み入れている。
「平和」と「安全」は、タダではない?
それを最も露骨に示しているのが、地政学と資源をめぐる繰り返された歴史の再編だ。どうして突然こんな小難しい話をするのか、と思われた方もいたかもしれない。しかし私は昨年9月に脱サラして世界を4カ月かけて旅する中で、自身の無知さを心から残念に思った。今となっては隙間時間さえあれば世界情勢や歴史のPodcastや解説系動画を見ている。以前こんなことまで気にする余白が持てなかったものの、最近では辻褄が合わなく不可思議に思える事象も事実も、ひとつづつ脳内で繋ぎ合わせようと務めている。
侵攻はイデオロギーではなく「資源」で起こる
かつて残酷を超える惨状を遺産とした戦争は、思想や宗教、国威発揚の名のもとに語られてきた。各国の教育にとって自国の視点から時代背景、交戦のトリガー、交渉材料およびに目的などは相違する場合がほとんどだ。各々に正当化された(都合のいい)解釈を後世に伝えたという考え方もできるけれど、個人的にはそれぞれの「正義」を一貫するためのぶつかり合いであったのだと。そしてその上に安全で快適な国家が君臨していることは、間違えても当然と思ってはいけない。
かつての力同士のぶつかり合いに比べて、今をうごめく21世紀の侵攻は、もっと現実的で無機質だと感じられた。
たとえば、記憶にも新しいトランプ政権期のベネズエラへの軍事的関与。
そこにあるのは「民主主義の輸出」ではなく、世界最大級の原油埋蔵量という現実だったのだと、目から鱗👀🐟
理想論ではなく、資源という現物を確保できるかどうか。
それが、国家の行動原理になりつつある徹底した姿勢が見られた。賛成だとか反対だとか、私は政治家でもないのでニュースを聞いて(・_・D フムフムしている庶民の独り言として聞き流してほしい。
「安くて大量」な労働力の時代は終わりつつある
産業革命以降、世界は一貫してこう動いてきた。
- 安く
- 多く
- 従順に
働く労働力をどこから確保できるか。
その象徴がグローバルサウスだった。(主にアジア・アフリカ・中南米などに位置する国や地域を指す言葉)
かつては「発展途上国」と呼ばれていたエリアに近い概念にもなり得る。
冷戦期の「西側(グローバルノース)」と「それ以外」という文脈から生まれた説が濃厚らしい。GlobalSouthの現在は人口・資源・労働力・成長市場を多く抱える地域として、世界経済や地政学において存在感を増している。
一方で、政治的・制度的な不安定さを抱える国も多く、安価な労働力の供給地として利用されてきた歴史も併せ持つ。
AI時代にはその役割を再定義されつつありながらもこの革新的な脅威の登場は、大前提を根底から揺るがしている。
今、先進国家及び業界を牛耳る企業らが求めているのは
「安さ」よりも「均質性」
「人数」よりも「確実性」 だ。
だから三菱のような日本企業が、アリゾナ州という一見コスト高に見える土地を選ぶといった意思決定も列記とした根拠の元判断されたとの言論も。
生産活動がNonStopで、政治的リスクが比較的低く、インフラが安定している場所。
多少高くても、暗算で利益が算出できる。
予測可能で、長期計画が崩されにくい。
これは効率の話であり、同時に予期されるリスクを最小限に抑えた経済安全保障の話でもあるのだとMakeSense。
日本は「資源国」ではない、しかし…
日本は地下資源に恵まれていない。
だが逆に言えば、資源をどう扱うかという知恵、そして世界髄一の加工技術には長けている国として国際社会でも高い評価がある。
精密加工、品質管理、時間をかける文化。
これは「大量生産」では歓迎されにくかったが、
AI時代には代替されにくい資産になりつつある。いわゆる「職人気質」「繊細な美」がさらに世界的にも再注目され始める予兆が著しい。
安くて使い捨て可能な労働力よりも、
少し高くても信頼できる拠点。力よりも物資、戦略的な政策こそが国家の一大事を一喜一憂させる。無音のようで、緻密に計算された各国の権勢が分布を始める事は不思議もないだろう。
アメリカを先頭に世界はその先へと舵を切り始めている。
△リチウムトライアングルと「白い黄金」🏅
AI、EV、再生可能エネルギー。
これらすべてに不可欠なのがリチウム。理科の授業でリチウム電機がどうだとか、くらいの記憶しかない。
南アメリカ大陸のボリビア、チリ、アルゼンチンにまたがるリチウムトライアングルは、「白い黄金」とも称されるほど豊かで、世界唯一の発掘地ともされている。
ところが特にボリビアは、政治的不安定さゆえに十分な開発が進められていない現状らしい。
資源はあっても、制度と信頼がない=拠点としては不向きという判断が下されてしまう。
ここに、現代の皮肉が存在する。
資源は地中にあるが、価値は地上の政治が決める。いつの日かこの方程式が覆される日が地球にやってくるのだろうか。。🌎
そしてもう一つ忘れてはならないのが銅🥉
電線、モーター、半導体。
電気が通る場所には、必ず銅が媒介している。
近年急速なAIの爆発的普及は、銅の需要を「新しい石油」(石油にとって代われる重要資源」というレベルにまで押し上げている。
つまり、エネルギー革命とAI革命は相互に影響を及ぼしながら、足並みそろえて資源争奪戦を引き起こしているのだ。
エスクロー勘定が示す「信頼の価格」
限られた資源や不動産が動くとき、
重要になるのは「信頼をどう担保するか」だ。
ドバイ不動産で使われているエスクロー口座はその象徴。
購入者の資金は第三者機関に預けられ、
プロジェクトの進捗に応じて段階的に開放される。
エスクロー勘定とは、売主と買主の間に第三者(銀行や公的機関など)が入り、取引代金を一時的に預かる仕組みのこと。
契約条件がすべて満たされるまで資金は動かず、条件達成後に初めて売主へ支払われるため、詐欺や資金流用を防ぎ、取引の安全性を高める制度として不動産や大型契約で広く使われている。
これらは単なる金融手法ではない。
不信が前提の世界で、秩序を保つための仕組みだ。
国家間でも、企業間でも、
信頼はもはや感情ではなく、構造で管理されている。
これからの世界で起きていること
- 平和は「守るもの」から「買うもの」へ
- 労働は「数」から「質」へ
- 資源は「あるか」より「扱えるか」へ
AIは人類を楽にするのか、世界をよりシビアに分断するのか。AI格差なるものもすぐに露呈されていくのだろう。
だからこそ、私たちは
ニュースを感情で消費するのではなく、
構造として理解する力が必要とされる。
これは恐怖を煽る話ではない。
現実を直視するための、未来地図の更新過程にすぎないのだ。
世界は今、静かに再設計されている。
その渦中で、あなたはどこに立つのか。
それを考えること自体が、
これからの時代における一つの「知的防衛」なのかもしれない。
最後までお読みいただきありがとうございます☆彡
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