なぜジョージアは、日本人に「長く住む自由」を与えているのか❓
トビリシを嬉しくも先月ぶりの再訪、そんな疑問がふと浮かんだので調べた内容を記事にしてみた📝
既にご存じの方もいらっしゃるかもしれない。多くの西洋諸国では、日本国籍者であってたとしても観光目的の滞在は3〜6か月が一般的だ。

ところがジョージアは、その常識から大きく並外れている。ビザ免除で最大1年の滞在が可能。なんだって!?
ジョージアの長期滞在制度は、国の戦略・歴史・地政学的立ち位置がそのまま制度に反映された結果であり、「日本だけ特別に優遇している」という単純な話ではないようだ。
むしろ、国家として非常に合理的な判断を積み重ねた末の制度設計である事が見えてきたのでますます興味深い。

① 人を呼び込まなければ国が回らないという現実
ジョージアは人口約370万人の小さな国。
ソ連崩壊後、長く人口流出・資本不足・産業基盤の弱さに悩まされてきた。この国にとって重要なのは、次の三点。
👥人が来るこ💰お金が落ちること
🏠長く滞在してくれること
短期観光客を大量に呼ぶよりも、生活者に近い外国人を迎え入れる方が、国にとっても意味があると判断された。
だから最初から、「短く管理するビザ」ではなく
「長く住める余白」を制度として選んだ背景がある。
ビザを厳しくする理由が、そもそもなかった。
② 移民を管理するより「自然に滞在する外国人」
多くの西洋諸国がビザを厳格化する理由は明確だ。
・不法就労 ・難民流入 ・社会保障コストの増大
これらを避けるためのリスクヘッジとして滞在期間は短く、条件は複雑になる。一方ジョージアは、EUでもシェンゲン圏でもない。(将来的にはEU加入が噂されているのだとか🌎)

社会保障制度も限定的で、「外国人を国が養う」構造ではない。そのため、
・来たい人は来てみたらいい
・働くなら自己責任
・生活は基本的に自己完結
という、極めて自由主義的な設計が成立する。
滞在を許可しても、国の負担が膨らまない。これは制度設計上、非常に大きい。
そして何よりも重要なことは、トビリシに滞在してみて危険だと思った経験は一度もない。実際にはOldTown近くの滞在でローカルバスに乗ったり夜道をひとり探索したりしたが安心して街歩きできるくらいの空気感であった。
ロサンゼルスで感じたあの空気のピリツキはここには全くなかった。
(一昨年の最高すぎた年末アメリカ西海岸旅行、いつの日か後編もつづります🖌)
③ 日本人は「リスクが低い」国籍として見られている
率直に言えば、日本国籍はジョージアから見て信用度の高い国籍に分類されている。
・不法滞在リスク及び犯罪率が低い
・政治・宗教的摩擦を起こしにくい
・教育水準・資金面が比較的安定している
だからこそ日本人だけでなく、EU・北米・一部アジア諸国に対しても、長期ビザ免除が広く開かれている。これは好意ではないく信用評価に基づく判断でご先祖様様に大声でアリガトウを伝えてたい。

海外に出てみるとわかるけれど、島国で繫栄してきた私たちの「平和第一」という価値観は強かで美しい。同時に海外を相手にすると温厚すぎて太刀打ちできないのでは?と心配になる事も少なくはない。
④ 中立を保つための外交カード
ジョージアは地理的にも非常に複雑な位置にある。
▼ロシアの影響圏にあり EU・NATO志向を示しつつ、正面衝突は避けなければならない
▼2008年のロシアとの軍事衝突(南オセチア・アブハジア問題)以降、国家レベルではロシアへの警戒心は強い模様
▼同時に、感情的対立を日常生活に持ち込まない選択を下した
=結果多国籍の移住者を受け入れ、政治的・経済的な依存先を分散させている。
長期滞在を認めること自体が、外交上の安全弁として機能しているようだ。
⑤ 「まず住んでみる🏠」を許す国づくり
ジョージアは移住を制度で縛らない。
▶まず住む 合えば残る 合わなければ去る
「ビザを取ってからきてね!」ではなく、「来てみて考えて:)」が成立する国。国家としてはかなり珍しい思想。

?なぜロシア語が通じても、空気が冷たくないのか
ジョージアはロシア語圏でもある。それなのに、街の空気は不思議なほど柔らかい。
理由は明確だった。かつてこの地域にてロシア語は統制のためのツールであって、文化の核とは見なされなかった。
家庭・宗教・食文化・価値観は、徹底してジョージア的。
その結果、年配層はロシア語が流暢(ソビエト連合の影響)。しかし若年層は英語志向にあり、ロシア語が通じたあとしても「親ロシア」とはならない
という独特な状態が今も続いていると知った。
🍷「客人は神」という文化
ジョージアには古くから、「客人は神からの使い」と聞いた。旅人をもてなす。食卓に招く。ワインを振る舞う。
これは政治とも言語とも関係のない、山岳文化由来の倫理観で感銘を受けた。
さらにこの国は、ローマ、ビザンツ、ペルシャ、オスマン、ロシア、、と常に大国に挟まれ続けてきた。排他的になると、生き残る術は最早ない。外部者と共存する知恵が、文化として残った。

🎀結びに
ジョージアが例外的に長い滞在期間を認めているのは、
「寛容だから」というよりも、徹底的に合理的だからだった。
人と資本を呼び込み、国家の負担は最小限に抑え、地政学的なバランスを保つ。
そのすべてを両立させた結果として生まれたのが、
「まず住んでみる自由」を許す制度だった。
ただし、この制度が永遠に続く保証はない。
EU接近や国際情勢の変化次第で、条件が見直される可能性は十分にある。
だからこそ今のジョージアは、単なる観光地ではなく、
「海外での新生活を試すことができる場所」として静かに機能している。
街の空気が柔らかい理由も、人が人として迎え入れられる感覚も、すべてはこの国家の選択の延長線上にあるのだと思う。
そんなトビリシにまた戻ってこられてうれしい。今回はどんな感激を目のあたりにできるだろうか🐶
最後までお読みいただきありがとうございます:)
インスタグラム:__mana.lulu