ひとり旅の静寂と乱気流サバイバル🌀束の間のジョージアお預け

By Mana takita

まーじーDEで、何もしなかった。
アムステルダムでの数日間。

年越しのおひとりさまクルーズが思いのほか効いて、完全に「内省モード」に入ってしまったのだろうか。誰とも話さず、予定も詰めず、ただ一人で過ごす時間がやたらと心地よかった。病んでいるわけではなくて、むしろ幸福が過去一高いかもと思えるほど満たされていた。

ホテルの部屋で、朝食会場ではただひたすらにポッドキャストやYouTubeで世界史を流し聞きし。古代から近代まで人々が大陸を超えて移動し、争い、混ざり合ってきた歴史を、ベッドの上やオープンスペースの隅で(・_・D フムフム聴く。物理的には動いていないないのに、頭だけが遠くへ行っている感覚でこの世界の成り立ちに対して考えを深められた。

1月7日の下船後、そのまま数日間はアムステルダムに残ると決めた。特に理由もなかったけれど、唯一10月にも訪れたお気に入りのサロンに行きたかったくらい。しかーし陸上初日の大雪で移動を諦め、その後も外に出る気力が不思議なくらいに戻らなかったのでまた今度。

ジョージアで皮膚科にかかった低温やけどは、ようやく皮が生え変わったと思った矢先、寝ている間にズル剥けて悪化。高校生の頃とは明らかに違う治癒スピードに、静かにショックを受けて精神的にもやや打撃。

それでもアムステルダムでのホテルは驚くほど快適だった。ブログを書いて、ホテル籠り2日目に出かけたIKEAで衝動買いしたアイロンビーズを黙々と作る。単純作業が、こんなにも頭を空っぽにしてくれるとはこの歳まで思わなかった。

街中を歩き回れるような傷の状態でもないしどうしようか。滞在を延ばそうかと調べてみたら、ポイント宿泊が驚くほど高騰していて、そっと画面を閉じた。

じゃあ、どうする?

新しい国を開拓するのも悪くない。でも今は、皮膚の状態的にもアクティブな観光はできそうにない。そう考えると、選択肢は自然と絞られてくる。

「好奇心を走らせてくれる土地」か
「未完のまま終わっている土地」か。

真っ先に頭に浮かんだのは、ジョージアだった。

先月本当はもう少し長く滞在するはずだった国。急遽ドバイ行きが決まり、わずか4日ほどで切り上げた場所。中途半端な感覚だけが、ずっと残っていた。

フライトを調べると、プレミアムエコノミーでも3万円程度。経由はトルコのイスタンブールに所在するSAW空港。

トルコ航空管轄の AJet は、実は結構気に入っている。フライト変更が多いとうわさされるらしいが、旧アナドルジェットを母体としたLCC寄りのフルサービスで。価格は抑えめだけれど、路線網は広い。遅延は避けられないらしいが、運が良ければ快適、悪ければ試される。そんな航空会社という個人的位置づけ。トルコ航空のマイレージもたまるし私的には好感を持っている。

案の定、またトビリシに先月と同じ全く同じIHGの宿を取り、14日まで確保した。
メンバー特典でレイトチェックアウトは14時。フライトは16:30発の予定だったが、18時に遅延。結果的に、中々のマイペースでホテルを出ることができた。

今回は電車にも翻弄されず、道中の雪にも圧倒されずに歓喜。最寄り駅から空港まで電車で直行30分弱、便利すぎる。

スキポール空港は相変わらず美しく、保安検査からイミグレまでの流れも華麗に過ぎ去った。ただ、いつの間にか自動ゲート対応になっていて、日本人は有人イミグレーションを通らなくても出国できる仕様に変えられている。

それでもパスポートにどうしてもスタンプが欲しくて、係員のお兄さんに頼み込み、わざわざ有人カウンターの列へ。

「どこに行くの?おうち帰るの?」
「ジョージアに行くよ♪」

ハーフロシア人だというオフィサーが、「ジョージア、きれいって聞くよね。ずっと気になってたんだ」と雑談を振ってくる。

「前回は短期だったから、今回はゆっくりするつもり」
そう伝えると、にこやかにスタンプを押してくれた。オランダに住んでいる人はどこか気品というか、余裕があるというか。すれ違うだけでも笑顔で、やさしく挨拶をしてくれる人が多い素敵な印象ばかりが心に残っている。またすぐ来ます!

出発ターミナルへ向かう。
トルコで買ったブーツを愛用しているが、スニーカーより生地(ソフトレザーだが)が硬く、足の甲の火傷に響く。機内持ち込みの荷物は重くなってしまうけれど仕方なく履き替えた。

昼食を逃していたので、プロテインバーと、5ユーロもする1リットルの炭酸水を購入。高いけど、背に腹は代えられなくて静かに財布がすすり泣き。

時間を潰していると、1ヶ月以上音信不通にしていた豆柴紳士から、久石譲さんのキャンドルコンサート動画が届いた。返信はしなかったが、ジブリ好きには懐かしすぎて、しばらくAppleMusic越しに聴き入った。

半永久か?とまでは長くなかったけれど、計2時間くらい遅れた飛行機にようやく搭乗。
午後の緑茶が聞いているのか、眠りたいのに眠れない。スナックをつまんで時間を潰した。

隣の席のトルコ人らしき男性が、なぜか私の分までコーヒーを頼んでくれ、スナックまでも。お礼にドバイで爆買いしたお気に入りのプロテインバー(VEGANでうまうま)を渡す。

また、優しい人に会えた。

そしてもちろん、カフェイン過敏の私はコーヒーを飲んだら眠れない。そもそもフライトは遅れていて、SAWにてトビリシ行に乗り継ぎができるかは完全にギャンブルだった。チェックインカウンターでスタッフが日本人のガールフレンドがいるらしく、かわいらしい敬語を使って対応してくれた。彼曰く、乗り換えできなかった代替えのフライトが手配されると思うよ。という話だったのをふと思い出す。

そろそろ到着かと思った頃、機体がまあまあ揺れ始める。
乱気流で着陸できないらしい。

結局、目的地ではない場所に降りることになった。

これまで何度も飛行機に乗ってきたけれど、目的地以外に降り立つのは初めてだった。ルーレット旅行みたいで、少しだけワクワクする。

上空をぐるぐる旋回した末、午前1時ごろ、トルコのアンカラに着陸。

アンカラはトルコの首都(勝手にイスタンブールが首都かと勘違いしていた)で、政治と行政の中心。観光都市ではないが、国内線のハブとして重要な役割を持つ空港だ。

やっと下界に出られる、と思ったのも束の間。
天候が回復したため、元の目的地イスタンブールへ戻る決断が下された。

降りられない。こちとら眠いので目的地トルコに換えてもいいや!くらいの気持ちでいたのに(笑)

しかも、30分前にトルコ発ジョージア行きのフライトはキャンセルされたという事実を知らされる。

あんなに行きたかったジョージア。今は束の間の?お預けらしい。がっかりしても解決しないし、これも一つの運命だと思い素直に受け入れることにした。

機内で1時間ほどスタック。
気休め程度の水やジュース、スナックが配られる。むしろコーヒーを飲んでいてよかった。目が冴えているうちに、トビリシのホテルをすべてキャンセルして全額ポイントバックを得た。

アンカラからイスタンブールまでは約45分の飛行。

隣の男性は暇つぶしなのか、ほとんどトルコ語で話しかけてくる。まったく分からず、翻訳アプリで会話することに。

後ろの席の女性まで「チョコレートいる?」と声をかけてくれる。優しい世界が、機内に広がっていて少しだけ疲労が軽減された。

スマホでの筆談は、アンカラからイスタンブールまで続いた。ドバイの法人設立に手こずり、代替案としてジョージアを検討している話をすると、

「金利やビジネスセットアップの観点では、トルコは世界の中心だよ」彼はトルコ人だけれどオランダに住みビジネスを展開しているらしい。

事実、トルコは欧州・中東・中央アジアを結ぶ金融・物流の交差点で、近年は外資誘致にも積極的だというのだ。知らないことばかり!

そういえば以前、イスタンブールでセーラームーンからの占星リーディングを受けた時、「ここはあなたのビジネスにかなり合う」と言われていたことを思い出し妙に納得というか気になり始める。

ジョージア行きを少しだけ先延ばしにして、イスタンブールに滞在するのもありかもしれない。ホテルを調べると、価格も思ったより悪くなかった。

やっと機体を降り、トランスファーカウンターへ。

AJetが用意したのは、翌日夜のトビリシ行きフライトと、航空会社専用のホテル。市内に自分で取れば交通費も宿も、トルコを出るフライトまでが全額自己負担になるため、3秒迷った末に大人しく従うことにした。

航空会社手配のホテルに泊まるのは、2024年9月以来。
大学同期の結婚式で沖縄に行った帰り、BatikAirが30時間遅延して台湾に1泊泊まった時のことを思い出す。

サビハ・ギョクチェン空港(SAW)に無事到着した時点で、時刻は朝3時。

ここはイスタンブールのアジア側にある、LCCと中距離路線の拠点空港。巨大ではないが、24時間動き続ける、眠らない空港だ。

長い上空での飛行を乗り越えた一日が、ようやく終わろうとしていた。

▶後編へ続く...

最後までお読みいただきありがとうございます🐈

インスタグラム:__mana.lulu

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