ある人は旅先で事業を思いつく。
ある人はシャワー中に人生を変えるアイデアを思いつく。
一方で、
毎日同じ場所を往復しながら、
「最近ひらめかないな」
と感じる人もいる。
創造性とは才能なのだろうか。
それとも環境なのだろうか。
脳科学の研究を見ていくと、
その答えは意外にも
「両方だけれど、後者の影響が想像以上に大きい」
だった。
そもそも創造性とは何か
多くの人は、
「ゼロから何かを生み出す力」だと思っている。
しかし脳科学的には少し違う。
⚫︎創造性とは、
既に存在する情報同士を新しく結びつける能力
に近い。例えば、
スマートフォンも、
SNSも、
AIも、
完全なゼロから生まれたわけではない。
既存技術の組み合わせから生まれている。
つまり創造性とは、
無から有を作る能力ではなく、
👉 関係なさそうなものを繋ぐ能力
なのである。
創造性は脳のどこで作られるのか
実は「創造性の場所」は存在しない。
昔は、
左脳=論理
右脳=創造性
と言われていた。
しかし現在ではかなり単純化しすぎだと考えられている。
創造性には主に3つのネットワークが関わる。
① デフォルトモードネットワーク(DMN)
ぼーっとしている時に働く回路。
・妄想
・空想
・記憶
・未来予測
などを担当する。
シャワー中に突然アイデアが浮かぶのもこれ。
散歩中にひらめくのもこれ。
② 実行制御ネットワーク
アイデアを評価する回路。
・本当に使えるか
・現実的か
・矛盾していないか
をチェックする。
③ 注意ネットワーク
今重要な情報を選び出す回路。
大量の情報の中から、
「これは面白い」を発見する。
つまり創造性とは、
👉 妄想する脳
👉 評価する脳
👉 集中する脳
の共同作業なのである。
なぜ散歩中にアイデアが出るのか🐕
多くの作家や経営者が散歩を好む。
これは偶然ではない。
歩くことで脳への血流が増える。
さらに、
注意が適度に外へ向くため、DMNが活性化しやすくなる。
有名な例では、スティーブ・ジョブズは散歩ミーティングを好んだことで知られている。
創造性は、机に縛り付けられた状態より、もう少し自由な状態で生まれやすい。
創造性が枯れる瞬間☠️
創造性は歳を取ることで失われるのではない。
脳科学的には、予測だけで生き始めた時に弱くなる。
毎日同じ人と会う。
同じ道を歩く。
同じ意見だけを聞く。
同じ価値観だけを信じる。
すると脳は、
「もう新しい学習は必要ない」と判断せざるを得ない。
創造性とは、知識量ではなく、
未知と出会う量なのかもしれない。
→すると神経回路の新しい接続が減る。
結果として、発想の幅が狭くなる。
しかし逆に、同じ仕事でも
・新しい人に会う
・異分野を学ぶ
・旅行する
・本を読む
を続けている人は、創造性が落ちにくい。
つまり問題は継続ではなく、刺激の単調化なのである⚠️
なぜ旅行すると発想が変わるのか🚢
これは脳科学的にも説明できる。
脳は違和感を好む。
見慣れた風景では、脳は予測だけで動く。
しかし海外に行くと、
・言語
・匂い
・文化
・価値観
が変わる。
すると脳は大量の新情報を処理し始める。
これが新しい神経結合を生み出す。
創造性の高い人に旅好きが多いのは、偶然ではない。
創造性は才能なのか🎨
ここが一番気になるところだろう。
結論から言うと、
👉 才能はある けれど
👉 才能だけでは決まらない
も正しい。研究では、
創造性に関わる性格傾向として、
・好奇心
・開放性
・探究心
が関係すると言われている。
ただし、これらも環境によって大きく伸びる。
つまり、創造性は筋肉に近い💪
最初から差はある。
でも使わなければ衰える。
🟰鍛えれば必ず伸びる。
現代人の創造性が下がりやすい理由
ここが興味深い。
私たちは過去最大級に情報へアクセスできる。
しかし、創造性はむしろ下がりやすいとも言われる。
なぜか。
→SNSは答えを与えてくれる。
→AIは最適解を生成してくれる。
→動画は次々流れてくる。
すると、人類史上最強レベルに自分で考える余白が低迷する。
創造性は情報量から生まれるのではない。
🟰情報同士を混ぜる余白から生まれる。
創造性を高める習慣
脳科学的に有効とされるものは意外とシンプル。
① 散歩する
最強。
脳血流と発想力が上がる。
② 異分野を学ぶ
歴史。
芸術。
科学。
哲学。
創造性は境界線で生まれる。
③ 一人の時間を作る
常に刺激を受け続けると、脳は統合する時間を失う。
④ 良質な睡眠
睡眠中に脳は情報を再編集する。
夢が創造性と関係するのもそのため。
⑤ 旅に出る
環境変化は脳への最高の刺激になる。
最後に
創造性とは、一部の天才だけが持つ才能ではない。
それは人類が何万年も前から持っている探索本能の延長線上にある。
だから創造性を高めたいなら才能を探すより先に、
少しだけ違う道を歩いてみること。
行ったことのない街へ行くこと。
会ったことのない人と話すこと。
読んだことのない本を開くこと。
脳は新しい景色を見るたびに、
世界だけではなく、自分自身の可能性まで更新してくれる。
人生を変えるアイデアは、いつも見慣れた景色の外側で待っている。